茨城県中部に位置する那珂湊と大洗は、首都圏からの日帰り旅行にとても適したお出かけスポットです。
那珂湊は、太平洋に面した那珂湊漁港にある「那珂湊おさかな市場」で有名な街です。また、大洗には、家族連れに人気の「アクアワールド大洗水族館」や「大洗磯前神社」などの見どころがたくさんあります。両地域を結ぶ「海門橋」からの太平洋の眺めは、圧巻です。
多彩な観光資源に恵まれた那珂湊と大洗は、東京から約120km離れています。しかし、鉄道や道路でのアクセスはとても良好で、日帰りでもこれらの街を十分に楽しめます。
那珂湊と大洗の周辺にある国営ひたち海浜公園があまりにも有名なため、那珂湊や大洗は見逃しがちです。しかし、立ち寄らなければもったいないくらいに訪れる価値があります。
筆者も、国営ひたち海浜公園を訪れた足で那珂湊の街に向かい、おさかな市場で海鮮料理を味わうのが楽しみです。
十分に日帰りできることもあって、特に週末は東京圏からの観光客で混雑します。旅のプランニングに際し、見学時間や食事の待ち時間に余裕を持たせることをおススメします。
この記事では、那珂湊と大洗への交通アクセス、おススメの観光スポット、そして絶品の海鮮グルメについて詳しくご紹介します。首都圏に住む人にとってはもちろんのこと、茨城県を訪れるすべての人にとっても、充実した旅になることは間違いありません。
茨城県内で一押しの観光スポット那珂湊・大洗の魅力
関東地方の北東に位置する茨城県は、観光資源が少ないと思われがちです。実際、ブランド総合研究所が毎年発表する都道府県魅力度ランキングでは、最近まで全都道府県中最下位でした(現在は最下位を脱しました!)。
しかし、それは本当でしょうか。
実は、茨城県にもお出かけスポットは多くあり、四季を通じて自然や文化を満喫できます。そして、グルメもなかなかいけています。
茨城県の中でも観光スポットが集まっているエリアの一つが、県庁所在地である水戸市の東に位置する、ひたちなか市と大洗町です。
このエリアの観光スポットとしては、ネモフィラやコキアで知られた「国営ひたち海浜公園」が著名で、人気があります。しかし、その公園を訪れて帰るだけではもったいないです。
那珂湊や大洗においては、「アクアワールド大洗水族館」や「大洗磯前神社」、「めんたいパーク大洗」といった観光スポットが魅力的です。また、「那珂湊おさかな市場」や大洗漁港近辺の食堂群で海の幸を満喫するのも、この地を訪れる楽しみです。
これらのスポットは、東京周辺から十分に日帰りできる距離にあります。ふと思い立った時に、気軽に訪れることができます。
那珂湊・大洗への交通アクセス
那珂湊の街がある茨城県ひたちなか市および大洗の街がある茨城県大洗町は、東京から約120km離れています。鉄道や高速道路が完備していて、いずれの方法でアクセスしても至ってスムーズに移動できます。
鉄道+路線バス
鉄道でアクセスする場合の最寄り駅は、JR常磐線水戸駅もしくは勝田駅です。
那珂湊・大洗に至るまでの交通
特急「ひたち」号および「ときわ」号が常磐線を定期列車として走っており、東京(品川駅・東京駅・上野駅)と水戸駅・勝田駅間を結んでいます。所要時間は、上野駅から水戸駅まで片道1時間20分程度です。同区間の運賃・料金は、片道3,800円程度です。
また、首都圏各地から水戸駅・勝田駅まで、春季・夏季・秋季のピーク時に臨時列車が運行されています。ただし、この列車の運用に入る編成がE653系電車1編成とE657系電車1編成に限られるため、毎週末運行されるわけではありません。以下の駅を発着する列車が週替わりで設定されます。
- 東海道線平塚駅(神奈川県平塚市)
- 川越線川越駅(埼玉県川越市)
- 中央本線高尾駅(東京都八王子市)
- 内房線君津駅(千葉県君津市)
列車名や運行日が毎年異なるため、臨時列車の情報をその都度収集したいです。この臨時列車の情報について、別の記事(↓)に詳しくまとめました。当記事とあわせてご一読ください。
水戸駅から大洗駅までは鹿島臨海鉄道、勝田駅から那珂湊駅まではひたちなか海浜鉄道で移動するのが便利です。
那珂湊・大洗エリア内での移動手段
大洗の市街地での移動手段としては、町営の循環バス「海遊号」があり、約1時間間隔で運行されています。徒歩で移動するのは若干ハードなので、バスを利用すると良いでしょう。
那珂湊の街は、徒歩で十分回れる広さです。那珂湊から大洗への移動には茨城交通の路線バス(50番)を利用しますが、運行本数が少なめなのが難です。
クルマ
那珂湊や大洗の街は、高速道路から奥まった位置にあります。常磐自動車道から東水戸道路に入り、水戸大洗インターで下りてから一般道を進みます。
大洗の市街地、那珂湊の中心部とも、渋滞がひどいので要注意です。特に、那珂湊おさかな市場の周辺は渋滞がひどく、週末の日中には動きがなくなります。少し離れた場所に市営の駐車場があるので、利用するのをおススメします。
電車で水戸駅や勝田駅に入る場合、現地でカーシェアを利用するのも良策です。路線バスの本数が少なめなので、クルマで移動すると時間を大幅に節約できます。
それでは、那珂湊・大洗の観光・グルメスポットをご紹介します!
那珂湊の観光スポット
那珂湊と大洗は、那珂川によって隔てられています。それぞれの街を結ぶのは、那珂川河口にかかる海門橋です。
那珂湊地区は、1994年に勝田市と合併するまでは那珂湊市でした。現在は、ひたちなか市に属しています。那珂湊の街自体は観光スポットとは言えませんが、周辺の観光スポットからの立ち寄り先として好適です。
那珂湊のハイライトは、後述する「那珂湊おさかな市場」です。ひたちなか市随一の観光スポット、国営ひたち海浜公園から寄り道する形で訪れることをおススメします。
ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅から那珂湊おさかな市場に至るエリアが那珂湊の中心部ですが、徒歩で十分に回れる程度の広さです。
那珂湊の街を抜けて海門橋を渡ると、大洗町に入ります。海門橋からは、太平洋が目の前に見えます。
国営ひたち海浜公園に関する情報は、当サイトの別記事(↓)をご一読ください。
大洗の主な観光スポット
北海道苫小牧市へのフェリーが発着する港町として知られているのが、大洗町です。大洗町はそれほど面積は広くありませんが、観光スポットが街中にぎゅっと詰まっています。
那珂湊同様、大洗も魚料理がウリです。グルメが一押しですが、見て回るスポットも十分にあります。
大洗磯前神社
大洗磯前神社は、家内安全や海上交通安全の御利益があります。海岸にある鳥居から拝む初日の出で有名で、大洗のシンボルになっています。階段状の参道が、海岸から本殿まで続いています。
路線バスで訪れると、バス停から長い階段を上ります。しかし、クルマで訪れる場合には本殿の近くに駐車場があるので、階段の上り下りがありません。バリアフリーの観点でも、クルマでのアクセスが優れています。
アクアワールド茨城県大洗水族館
関東地方でも最大級の水族館で、観光客をはじめ多くの人に親しまれています。
この水族館は大洗町にあるものの、位置的には那珂湊寄りです。徒歩で訪れる場合、那珂湊駅から向かった方が近いでしょう。
館内には大きな水槽が多くあり、いずれも迫力があります。その中でも、マイワシやサメが水槽の中を泳ぐ様は圧巻です。
大きな水槽でのイルカショーが、この水族館のハイライトです。また、エトピリカやゴマフアザラシ、ペンギンなどの展示があり、とてもユニークです。
この水族館は規模が大きいので、見学時間を最低でも1時間程度見込んでおくと良いでしょう。平日は余裕がありますが、週末は多くの観光客でごった返すことも。
大洗マリンタワー
大洗港フェリーターミナルの近くにあるタワーです。高さ55mの展望台に上がるのは、有料です。
360度の眺めを楽しめる展望台からは、大洗の街並みの他、遠くは富士山や日光・那須連山を見渡せます。
50mの高さにあるガルパン喫茶を利用する場合には、入場料がかかりません。展望も楽しめて良いと思います。
めんたいパーク大洗
明太子メーカーのかねふくが全国に展開しているパークの一つが、めんたいパーク大洗です。無料で明太子の加工場を見学できる他、加工したての明太子を扱うショップや軽食をとれるフードコートがあります。
路線バスのルートから少し離れているため、徒歩で向かうには若干時間がかかります。クルマのほうが便利です。
フードコートでいただけるめんたい丼や明太子おにぎりには、明太子がふんだんに入っています。おにぎりを一つ食べてみましたが、満足できました。
その他のスポット
他には、夏季に海水浴を楽しめる大洗サンビーチや、大洗町が舞台となったアニメ「ガールズアンドパンツァー」に関係するスポットがあります。
このように、大洗には観光スポットが多くあるため、日帰りではやや時間が足りないかもしれません。大洗の街には旅館や民宿が多くあるので、一泊してみてはいかがでしょうか。
那珂湊・大洗で海の幸を満喫!
那珂湊と大洗を訪れて逃してはならないのは、海の幸です。那珂湊漁港や大洗漁港から水揚げされた新鮮な海産物を、心ゆくまで満喫できます。
那珂湊と大洗とも、観光客が気軽に立ち寄れる市場があります。ここでは、両者を比較しながらご紹介します。
那珂湊おさかな市場
茨城県内外から年間100万人が訪れる、人気スポットです。国営ひたち海浜公園からの立ち寄り先として、最適です。
約300mにわたる通りに沿って、海産物を扱うお店が並んでいます。その中でもひときわ目立ち、訪問者に人気があるのが、新鮮な生牡蠣です。1個500円程度でいただくことができます。
海鮮料理を楽しめる食堂も、市場内に数軒あります。刺身定食や海鮮丼が目玉メニューです。平日は空いていますが、週末は待ち時間を覚悟する必要があります。
筆者も、那珂湊おさかな市場で何回か食事を楽しみました。
一番のお気に入りは、魚一さんの刺身定食です。那珂湊漁港に水揚げされた地魚の中から、好きなものをオーダーできます。刺身の新鮮さは間違いなく、値段も比較的リーズナブルです。
そして、海鮮丼も人気です。どのお店でもネタがふんだんに盛られていて、食べ応えがあります。このような新鮮な海の幸を味わえるのは、海のそばにあるお店ならではのことです。
大洗漁港周辺の食堂群
那珂湊おさかな市場よりは規模が小さいものの、大洗漁港周辺には、魚料理を提供する食堂や海産物を扱うお店がいくつかあります。
その中でも目立つのは、大通りに面した大洗海鮮市場です。海産物が売られているお店と浜焼きのお店、どんぶりものを出す食堂があります。
大洗の街中には食堂がそれほど多くないので、ランチに訪れるとよいでしょう。
あんこう料理(季節料理)
古くから高級魚として知られ、「西のふぐ、東のあんこう」と言われます。
冬場に那珂湊や大洗を訪れると、あんこう料理を楽しめます。多くの旅館や民宿、食堂であんこう料理が提供されています。
まとめ~魅力にあふれた那珂湊と大洗~
観光スポットが少ないと思われがちな茨城県ですが、実は多くの観光資源があり、穴場といえます。
その中でも、那珂湊と大洗は、茨城県内でも有力な観光スポットです。国営ひたち海浜公園を訪れた際に立ち寄ると、何らかの発見があるのではないでしょうか。
那珂湊と大洗を鉄道で訪れるには、特急「ひたち・ときわ」号や臨時特急列車を利用します。東京から水戸駅まで、約1時間20分かかります。水戸駅から大洗駅に入るためには鹿島臨海鉄道を、勝田駅から那珂湊駅に入るにはひたちなか海浜鉄道に乗り換えます。
クルマで那珂湊・大洗に入るには、東水戸道路水戸大洗インターを目標にします。
那珂湊と大洗のハイライトは、食堂で海の幸をいただくことです。一押しなのは那珂湊おさかな市場ですが、週末は混雑します。周辺道路が渋滞するため、クルマでアクセスする場合は要注意です。
そして、関東最大級のアクアワールド大洗水族館も、有力な観光スポットです。
那珂湊と大洗には、遠方からの観光客も多く訪れます。しかし、茨城県は観光地としての知名度が低いため、はっきり言って穴場です。
オーバーツーリズムの影響を受けていないので、平和に観光を楽しみたい人にはおススメです。お出かけしてみてはいかがでしょうか。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● 都道府県魅力度ランキング2023【47都道府県・完全版】 (ダイヤモンド・オンライン) 2024.7閲覧
● ひたちなか市観光協会【公式ホームページ】 2024.7閲覧
● 【公式】大洗観光協会 | 大洗で休息と親睦のひとときを 2024.7閲覧
当記事の改訂履歴
2024年11月20日:初稿 修正
2024年10月17日:初稿 修正
2024年7月02日:初稿 修正
2024年6月17日:初稿 修正
2024年6月07日:当サイト初稿
コメント