大きな駅の中にあるおしゃれなお店では、ステキなグッズやおいしい食べ物が多く売られています。そのようなお店に、足を運びたくなることはありませんか?
駅ナカのお店といっても、改札口の外にあるお店と改札口の中にあるお店の2通りがあります。そのうち、改札口の中にあるお店を利用する時には、きっぷが必要です。
そこで、駅の改札口の中に入るために必要なきっぷにはどのような種類があるのか、疑問に思う方が多いのではないでしょうか。
違う駅に向かう場合には、定期乗車券や普通乗車券(紙のきっぷ)を利用します。同じ駅の改札口を出る場合には、入場券が適しています。交通系ICカードも使えます!
この記事では、駅ナカのお店を利用するために必要なきっぷを4種類ご紹介します。ケースに応じてそれらのきっぷを使い分け、駅ナカでのショッピングを楽しんでいただきたいです。
駅ナカのお店には2つのタイプがある
鉄道駅の構内にあるお店は、改札口の外側にある場合もしくは改札口の中にある場合の2タイプに分かれます。
JR東日本管内の駅を例にすると、改札口の外側には、ルミネやアトレがあります。ルミネは大きな駅にある大規模な駅ビルです。アトレは高架下や駅ビルにあり、地域に密着したこじんまりとした施設です。
一方で、改札口の中にあるお店は、エキュートやグランスタです。エキュートは首都圏に8か所あり、ショッピングモール級のグランスタは東京駅にあります。
東京近郊部以外の地域にある駅ビルの名称には特に法則性はなく、それぞれの地域や駅ごとに異なります。
改札口の中に入るために購入するきっぷの4パターン
これらのお店の内、改札口の外側にあるお店を利用する場合は、改札口の中に入るためのきっぷは必要ありません。ただし、その駅に向かうためのきっぷが必要なのは言うまでもありません。
一方で、改札口の中にあるお店に向かうためには、きっぷが必要です。駅ナカのお店を利用するための特別なきっぷがあるわけではありません。利用できるきっぷには以下の4種類があり、いずれかのきっぷを持っていれば問題ありません。
- 定期乗車券
- 普通乗車券(紙のきっぷ)
- 入場券(紙のきっぷ)
- 交通系ICカード
利用の仕方に応じて、適したきっぷを使用することになります。きっぷを買うことなくサクッと改札口に入れる交通系ICカードを利用すると、とても便利だと思います。
これから、それぞれのきっぷの特長や注意点を、それぞれご説明していきます!
定期乗車券で駅ナカをじっくり利用
定期乗車券(定期券)は、日頃鉄道を利用していて、駅ナカのお店をリピートする場合に最も適しています。
通勤定期券や通学定期券、オフピーク定期券や一般の定期券を問わず、お店がある駅が乗車区間に含まれていれば、何回でも自由に利用できます。
例えば、東京駅(東京都千代田区)から大宮駅(さいたま市大宮区)までの在来線定期券を持っている場合、なんとグランスタ東京・エキュート上野・エキュート日暮里・エキュート赤羽・エキュート大宮を何回でも利用できるのです。
入場券と違って時間制限は特にないため、毎日の通勤・通学途中に気軽に立ち寄れるのが大きなメリットです。ただし、厳密に言えば、定期券を入場券代わりにできないことに留意しましょう。入場した駅と同じ駅で出場する場合、本来は入場券が必要です。
しかし、定期券を利用する場合、定期券上に示された経路以外の駅に立ち寄ることができません。例えば、上記の定期券では経路外の品川駅にあるエキュート品川を利用できないので、注意しましょう。
また、鉄道を普段あまり利用しない人にとって、定期券を買う機会が少ないことが難点です。
普通乗車券(紙のきっぷ)で駅ナカ巡りを楽しむ
日頃鉄道を利用しない人が駅ナカのお店を訪れる場合、定期券の代わりに普通乗車券を購入する方法があります。普通乗車券のメリットは、定期券と違って自分で乗車経路を自由に組み立てられることです。
上述した例でご説明すると、東京駅から大宮駅の普通乗車券でエキュート品川を訪れた後、山手線を新宿駅回りで乗車し、エキュート赤羽に立ち寄るといった駅ナカ巡りが可能です。もっとも、乗車する経路によってはエキュート品川とエキュート上野・エキュート日暮里を同時に訪れることはできないので、いずれかを選択することになります。
普通乗車券の場合も、常識的な範囲で時間制限はないと考えて差し支えありません。
ただし、普通乗車券を利用する場合には、入場した駅の改札口を出場できません。駅ナカのお店に立ち寄った後列車に乗って他の駅に向かう場合や、他の駅から列車に乗って駅ナカを訪れる場合に適しています。
普通乗車券を買って、複数の駅ナカをはしごするのはいかがでしょうか。
入場券(紙のきっぷ)で地元駅の駅ナカを満喫
地元の駅の駅ナカを利用する場合、列車に乗車することはないため、入場券が最適です。
改札口を入場し、同じ駅の改札口を出場する場合、入場券を購入します。入場券は紙のきっぷで、入場する駅の券売機で当日購入します。JR東日本の場合、入場券の値段は大人150円/子ども70円です。
入場券を利用する場合には、列車に乗車できない点と、購入時刻から2時間の時間制限がある点に注意しましょう。万が一2時間を超えた場合、自動改札から出場できなくなるため、駅員さんに事情を説明しましょう。
入場券には日付と駅名がはっきり表示されているため、駅ナカを訪れた証拠になり、良い記念にもなると思います。地元の駅のエキュートで1時間ほどランチとショッピングを楽しむ、といった使い方はいかがでしょうか。
交通系ICカードを活用し柔軟に駅ナカを利用
ここまでは、定期券や紙のきっぷを取り上げましたが、SuicaやPASMOといった交通系ICカードを使用することももちろん可能です。ここでは、交通系ICカードを駅ナカめぐりのきっぷとして利用する方法をご説明します。
乗車券として利用する場合(SF乗車)
交通系ICカードの基本は、列車に乗車して他の駅に向かうための乗車券として利用することです。交通系ICカードを用意すれば、普通乗車券と同様、入場する駅もしくは出場する駅、あるいは乗車区間の途中の駅にある駅ナカ(改札内)を利用できます。
また、入場した当日であれば、常識的なところで時間制限はありません。
交通系ICカードにあらかじめチャージした残高(ストアードフェア:SF)から運賃を引き落とす形になるため、「SF乗車」とも言われます。
交通系ICカードを利用する場合、あらかじめ目的地を決める必要がありません。気まぐれで駅ナカめぐりを楽しめると思います。
入場券として利用する場合(タッチでエキナカ)
交通系ICカードでは本来、入場した駅と同じ駅で出場することができません。しかし、JR東日本の自動改札に限っては、交通系ICカードを入場券代わりに使用できるサービスがあります。それは「タッチでエキナカ」と呼ばれています。
使い方は、入場券(紙のきっぷ)と全く同じです。ただし、入場券を購入してから2時間ではなく、自動改札を入場してから2時間以内の時間制限になる点に留意しましょう。
他の鉄道会社ではICカードを入場券代わりにできない
JR東日本では「タッチでエキナカ」のサービスがあることで交通系ICカードを入場券代わりに使えますが、他の鉄道会社には同様のサービスがありません。
先にお話しした通り、交通系ICカードは列車に乗車するためのものであるため、入場した駅で出場することは想定されていません。
他の鉄道会社にも駅ナカのお店がありますが、利用する都度入場券を買う必要があります。
駅ナカのお店を利用したことを説明できるよう心の準備を
駅ナカのお店での買い物や食事に夢中になったり、複数駅の駅ナカめぐりをしたりすると、利用の仕方が変則的になります。そのような場合、自動改札から出場できない可能性があります。
その時は、有人改札で駅員に事情を説明する必要があります。改札口から入場している間にどのような行動をとったか、口頭で説明できるように心の準備をすることをおススメします。
まとめ
駅ナカのお店を利用するために必要なきっぷには、定期乗車券、普通乗車券、入場券、交通系ICカードの4種類があります。利用目的や状況に応じてこれらのきっぷを適切に選ぶことで、駅ナカでのショッピングがより充実し、楽しく感じるでしょう。
定期乗車券は日常的な駅ナカ利用に、普通乗車券は複数の駅ナカ巡りに、入場券は地元駅の駅ナカ利用に適しています。交通系ICカードを利用すれば、より柔軟に駅ナカを利用できます。
きっぷの経路や時間制限に気を付けた上で、自分に合ったきっぷを選びましょう。この記事を参考にしていただき、駅ナカをお楽しみください。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● エキュート ウェブサイト 2024.5閲覧
● JR東日本「タッチでエキナカ」ウェブサイト 2024.5閲覧
当記事の改訂履歴
2024年6月29日:初稿 修正
2024年6月17日:初稿 修正
2024年5月10日:当サイト初稿
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