「四国みぎした55フリーきっぷ」を利用して「安佐海岸鉄道」のDMV乗車を体験!きっぷのコスパ・使用感を解説

安佐海岸鉄道DMV宍喰駅にて 乗り鉄(鉄道旅行)

四国地方の東南部、徳島県から高知県にかけて、太平洋に面した海岸線が続いています。その海岸沿いに延びるのが、国道55号線です。

徳島市から高知市にかけて約210kmのルートをクルマで進むのはもちろん、鉄道や路線バスを乗り継いでも縦走を楽しめます。

このルート上のハイライトが、世界唯一のDMV(Dual Mode Vehicle:鉄道・道路両用車)が走る「安佐海岸鉄道」です。この路線にはかつて列車が走っていましたが、現在はDMVが鉄道線路と道路の両方に乗り入れています。

安佐海岸鉄道や室戸岬をはじめ、ルート上に点在する観光スポットを鉄道や路線バスで訪れる際に重宝するのが、ちょっと欲張りな「四国みぎした55フリーきっぷ」です。

筆者もこのきっぷを活用し、乗り鉄と路線バスの旅を同時に満喫しました。

このきっぷを利用して、徳島駅から高知駅まで片道乗車すれば、きっぷ代の元が十分に取れます。3日間有効なので柔軟に旅程を組め、おトクです!

この記事では、利用対象の各交通事業者が共同して発売する「四国みぎした55フリーきっぷ」について、利用体験をもとに購入方法や使い勝手を詳しく解説します。

また、安佐海岸鉄道を走るDMVについて、概要をご説明した上で実際の乗車体験をご紹介します。

この記事から分かること
  • 全区間の運賃を現金払いするよりも、フリーきっぷのほうが安価なこと
  • 片道だけ乗車するばかりではなく、折り返し乗車も可能なこと
  • 安佐海岸鉄道DMVについては、事前予約が不可能なこと(満席のリスクあり)

徳島市と高知市を結ぶ国道55号線を公共交通機関で踏破

牟岐線普通列車阿南駅にて

徳島市から高知市までの約210kmを、国道55号線が結んでいます。海岸沿いのドライブを楽しめ、峠道もないことから、人気のドライブコースです。

この沿線には、日和佐のウミガメ、室戸岬や安芸地方の見どころなど、多くの観光スポットが点在しています。東京や大阪から遠く離れているだけに、非日常感が強い地域です。

幸いなことに、国道55号線上には全線で路線バスが運行されており、クルマを保有しなくても公共交通機関を利用して周遊を楽しめます。

鉄道網については、徳島駅(徳島県徳島市)から阿波海南駅(徳島県海陽町)を経て甲浦駅(高知県東洋町)までの区間、および奈半利駅(高知県奈半利町)から高知駅(高知県高知市)までの区間が整備されています。その中でも、阿波海南駅から甲浦駅を結ぶ安佐海岸鉄道では「DMV」と呼ばれる鉄道・道路両用車が活躍していて、それ自体が観光スポットです。

路線バスの旅と乗り鉄を同時に楽しめるのが、国道55号線の魅力です。

そんなルートを訪れるのに便利な「四国みぎした55フリーきっぷ」が、うれしいことに手頃な値段で利用できます

徳島駅から高知駅にかけての一帯がこのきっぷのフリー乗車区間で、3日間乗り放題です。企画きっぷによくありがちな片道利用タイプではないため、気が向いたら自由に後戻りできるのが、このきっぷの魅力と言えるでしょう。

公共交通機関を利用する旅行者にとって、「四国みぎした55フリーきっぷ」は心強い味方です。

それでは、世界的にも珍しい鉄道・道路両用車であるDMVの概要をご説明します!

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安佐海岸鉄道を走るDMVとは~線路と道路に乗り入れる~

安佐海岸鉄道DMV海の駅東洋町にて

国道55号線上を旅する道中のハイライトが、安佐海岸鉄道です。

世界的にもまれなDMV

国道55号線上の徳島県・高知県境に位置するのが安佐海岸鉄道で、阿波海南文化村から阿波海南駅および甲浦駅を経て、道の駅宍喰温泉まで結んでいます。宍喰駅・甲浦駅間に、徳島県・高知県境があります。

画像引用元:安佐海岸鉄道ウェブサイト

このルートを、「DMV(Dual Mode Vehicle)」と呼ばれる線路・道路両用車が走っています。阿波海南駅・甲浦駅間が線路を走る区間で、その他の区間は道路上を走る区間です。

線路を撤去して道路化し、路線バスが走る「BRT(Bus Rapid Transit)」はJR東日本気仙沼線BRT・大船渡線BRTやJR九州日田彦山線(ひこぼしライン)で見られますが、安佐海岸鉄道のDMVはいわばBRTの逆バージョンです。

かつてはこの路線にも列車が走っていましたが、2021年12月以降DMVが走るようになりました。鉄道区間と道路区間の結節点である阿波海南駅と甲浦駅では走行モードが変わる瞬間が見られ、世界的にもまれな体験を味わえます。

鉄道とは名ばかりで、実質的には線路を走る路線バスと言えます。

予約優先のDMV~利用方法~

安佐海岸鉄道では、マイクロバスを改造した3台のDMVが活躍していますが、乗車定員はいずれもわずか21席です(18席+立席3名)。輸送能力が限られているため、DMVには予約制が導入されています

乗車する便が決まった時点で、高速バスの予約サイト「発車オーライネット」上で乗車予約を行います(以下のリンクを参照)。当該サイトの会員登録を済ませ、予約時に運賃をクレジットカードで決済する方式です。

阿佐海岸鉄道 - 高速バス運行会社の路線一覧 - 発車オーライネット - 発車オ~ライネット
阿佐海岸鉄道の高速バス・夜行バス・深夜バス運行路線一覧。阿佐海岸鉄道の最安値、バス停、時刻表、お得な運賃料金を一覧でわかりやすく掲載しています。ご希望する路線の「片道・往復予約」から空席状況を確認し、そのまま予約へ進めます。

当日予約なしで乗車できる枠が設けられているとのことですが、人数が限られています。確実に乗車したいのであれば、事前に予約を済ませたいです。

運転士に混雑状況を聞いてみたら、週末には便によって満席になり、繁忙期には予約なしでは乗れない場合があるとのことでした。

鉄道モードと道路モードが切り替わる瞬間など、乗車した時の様子については、当記事の後半でご紹介します。

バリアフリー対策はされていない

安佐海岸鉄道を訪問する上で、バリアフリー対策が気になるかもしれません。あいにく、対策されているとは言えません。

DMVの車内は狭く、車いすが入る余地はありません。自力で乗車できないと、利用するのは厳しいでしょう。

国道55号線沿いに走る鉄道の駅や車内については、バリアフリー対策は十分です。しかし、DMVや路線バスでは対策がないのがネックです。

お待たせしました!国道55号線沿いの鉄道や路線バスを利用するのに便利なフリーきっぷの説明に移ります!

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「四国みぎした55フリーきっぷ」の買い方・使い方

四国みぎした55フリーきっぷ

フリー乗車区間に含まれる鉄道を運営するJR四国、土佐くろしお鉄道、安佐海岸鉄道および路線バスを運営する高知東部交通の4社が共同して発売するのが、「四国みぎした55フリーきっぷ」です。

フリーきっぷの利用エリア

四国地方の東南部に位置する徳島県南部および高知県東部の海岸に沿って走る鉄道および路線バスが、「四国みぎした55フリーきっぷ」の利用エリアです。

四国みぎした55フリーきっぷフリー乗車区間

フリー乗車区間が位置する四国の東南部は、いわば「みぎした」と言えます。また、フリー乗車区間は、国道55号線に沿っています。これらの要素が、このフリーきっぷのネーミングにつながっています。

徳島駅から高知駅にかけてのフリー乗車区間では、以下の鉄道(普通列車)および路線バスが3日間乗り放題です。

  • JR四国牟岐線 徳島駅・阿波海南駅間
  • 安佐海岸鉄道 全線
  • 高知東部交通 室戸・甲浦線および安芸・ジオパーク線
  • 土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線全線
  • JR四国土讃線 後免駅・高知駅間

前述した通り、このフリーきっぷは片道利用タイプではなく、文字通りフリー乗車できるきっぷです。行ったり来たりできるのがこのきっぷの強みで、安佐海岸鉄道のDMVに好きなだけ乗車できます。

きっぷのお値段~どの程度元が取れるか~

「四国みぎした55フリーきっぷ」の値段は、大人5,800円・子ども2,900円です。一体、どの程度おトクなのでしょうか。

徳島駅から室戸岬を経て高知駅まで片道乗車した場合の運賃は、下表の通りです。

路線名乗車区間運賃(円)
JR牟岐線徳島駅・阿波海南駅1,830
安佐海岸鉄道阿波海南駅・道の駅東洋町700
高知東部交通道の駅東洋町・ジオパーク1,310
高知東部交通ジオパーク・奈半利駅1,420
土佐くろしお鉄道奈半利駅・後免駅1,080
JR土讃線後免駅・高知駅330
 合計6,670
2025年01月現行の値段

無割引で全区間を片道乗車した場合の運賃総額は、6,670円です。フリーきっぷを購入した方が、870円安価であることが分かります。片道でも十分元が取れるため、このルートを縦走する際にはファーストチョイスとしてまず検討したいです。

フリー乗車区間を行ったり来たりしながら目的地へ向かったり、全区間を往復利用すれば、さらにおトクなことは言うまでもありません。

きっぷの買い方

「四国みぎした55フリーきっぷ」は、フリー乗車区間に含まれる以下の交通事業者の駅等で発売されています。

  • JR四国の駅窓口・みどりの券売機・四国内の主な旅行会社
  • 安佐海岸鉄道 宍喰駅
  • 土佐くろしお鉄道 安芸駅・のいち駅
  • 奈半利駅物産館無花果
  • 高知龍馬空港案内所

このきっぷは通年利用可能で、利用開始当日まで購入できます。このように、多くの箇所できっぷを購入できるのですが、現実的にはルートの入口である徳島駅または高知駅で購入することがほとんどではないでしょうか。

JR四国ツアーのウェブサイトから、通信販売できっぷを購入することも可能です。しかし、このきっぷで事前に座席指定できる列車がないため、当日駅で購入すれば十分でしょう。

きっぷの様式

利用開始当日に、JR徳島駅のみどりの窓口で購入しました。以下のように、マルス券です。

本券

四国みぎした55フリーきっぷ本券

マルス8.5cm券で自動改札を通れますが、自動改札を通る機会はないでしょう。

ご案内券片

四国みぎした55フリーきっぷ案内券片
四国みぎした55フリーきっぷ案内券片

マルス12cm券2枚にわたって、きっぷの使い方が記載されています。

なお、JRの駅や旅行会社以外で購入する場合、マルス券ではなく常備券となります。常備券を買うこと自体あまり考えられないため、とてもレアではないでしょうか。

きっぷの使い方

上記フリー乗車区間内で鉄道や路線バスに乗車する際、有人改札もしくは運転士にきっぷを提示します。

安佐海岸鉄道DMVに乗車する際、フリーきっぷならではの制約があります。

  • 事前に乗車予約ができないこと
  • 土休日に運行される室戸線に乗車できないこと

事前の乗車予約が不可能なため、土休日の混雑した便や繁忙期に思ったように乗車できないリスクがあります。満席になると乗車できないのが、このフリーきっぷの弱点です。

国道55号線沿いに進む旅行者向けのきっぷですが、お遍路さんがお寺巡りをするきっぷとしても有用かもしれません。

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「四国みぎした55フリーきっぷ」を利用したモデルコース(ダイヤ)

室戸岬

片道210kmという、フリー乗車区間が長大な範囲のきっぷを利用すれば、さまざまな旅程を組むことが可能です。ここでは、旅程計画上のヒントをお伝えしたいと思います。

訪問に適した時期

徳島県から高知県にかけては、太平洋に面しています。南風の影響を大きく受ける一方、北風の影響はあまり受けにくいです。

もともと温暖な地域なので、冬から春にかけてがベストシーズンです。一方、夏から秋にかけては梅雨や台風の影響を受けるため、あまりいい時期とは言えないでしょう。

片道利用

徳島駅から高知駅に向けて、もしくは高知駅から徳島駅に向けて片道で利用するのが、基本です。最速で駆け抜ける場合、約8時間かかります。途中の観光スポットに立ち寄ることを考えると、最低でも12時間程度かけることをおススメします。

徳島駅もしくは高知駅を早朝に出発すると、夕方には旅行が完了します。利用できる列車・路線バスのダイヤは、下表の通りです。ただし、あくまでも最速で駆け抜けるダイヤなので、適宜休憩や観光のための時間を見込んでください。

徳島駅→高知駅

曜日平日土休平日土休
徳島駅発05:3106:4609:30
牟岐駅着08:45
牟岐駅発 09:30
阿波海南駅着08:0509:5211:42
阿波海南駅発08:1010:5811:50
海の駅東洋町着08:3511:2312:15
海の駅東洋町発08:4009:3312:2012:28
ジオパーク着09:2410:1713:0413:12
ジオパーク発09:2610:1913:2513:45
室戸岬着09:3510:2813:3413:54
室戸岬発10:5811:3414:3814:38
奈半利駅着11:5812:2715:3815:35
奈半利駅発12:3216:03
高知駅着14:2417:24

徳島バス南部運行(フリーきっぷ利用不可)

高知駅→徳島駅

曜日土休平日平日土休平日・土休
高知駅発06:0308:3010:15
奈半利駅着07:2609:4212:04
奈半利駅発07:4310:0612:21
室戸岬着08:4110:5813:13
室戸岬発09:4512:0013:58
ジオパーク着09:5612:1114:09
ジオパーク発09:5812:1814:11
海の駅東洋町着10:3912:5914:52
海の駅東洋町発11:0811:4013:0413:3815:08
阿波海南駅着11:3212:0413:2814:0215:32
阿波海南駅発12:0814:0816:08
徳島駅着14:1216:1218:12

このように、平日と土休日ではダイヤが大幅に違うことに留意してください。

往復利用

徳島駅から高知駅までの全エリアを3日間かけて往復することも可能ですし、両駅から安佐海岸鉄道DMVに向けて往復利用することも考えられます。

フリー乗車区間内の安芸地区や宍喰温泉には宿泊施設があり、旅程に組み込むとゆっくりとめぐれます。

お待たせしました!徳島駅から高知駅まで1泊2日で縦走し、安佐海岸鉄道DMVに乗車した時の様子をお伝えします!

徳島駅から阿波海南駅に至るまで

一年で最も寒い時期である1月下旬の木曜日から金曜日にかけて、徳島駅から高知駅まで踏破しました。初日の夕方に徳島駅を出発してから阿南駅(徳島県阿南市)近辺のホテルに投宿し、翌朝阿波海南駅に向かいました。

徳島駅を5時31分に発車する阿波海南駅ゆき普通列車に乗車しても、阿波海南駅には同時刻に到着します。しかし、朝がきついため、阿南駅まで前乗りすることに。

徳島駅駅舎

徳島空港に降り立ち、徳島駅には14時40分に入りました。その足でみどりの窓口に向かい、「四国みぎした55フリーきっぷ」を早速購入。

◆ 普通 561D:
徳島駅 16時00分発 → 阿南駅 16時46分着

徳島駅駅名標

自動改札機がいまだ導入されていない改札口から、ホームに入場。古き良きたたずまいが、現在でも残っています。

牟岐線普通列車徳島駅にて

阿南駅ゆきの普通列車は、3番線から発車。夕方の帰宅ラッシュ前で、まだ平和でした。

阿南駅駅名標

40分ほどかけて、阿南駅に到着。

阿南駅ホーム

翌朝6時ちょうどに、阿南駅へ戻りました。駅の構内には、人が誰もいませんでした。

◆ 普通 4523D:
阿南駅 6時22分発 → 阿波海南駅 8時05分着

牟岐線普通列車阿南駅にて

徳島駅を5時31分に発車した列車が、6時13分に入線。1両編成のワンマン列車ですが、車内は空いていました。

牟岐線普通列車行先標

車両の行先標。とてもシンプルです。

日和佐駅駅名標

7時10分、日和佐駅(徳島県美波町)に到着。列車の行き違いのため、約20分間停車。

日和佐駅ホーム

対向列車を待つ間、ホームに降りて気分転換。

日和佐駅時刻表

駅舎内に掲示された時刻表。阿南駅から阿波海南駅までの区間は、鉄道のきっぷを持っていれば徳島バスにも乗車できます。

日和佐駅ホーム

特急「むろと」2号が到着。2025年3月で廃止されます。

阿波海南駅駅名標

日和佐駅を出発する時刻が近づくにつれて、高校生が多数乗車。高校が所在する終点の阿波海南駅まで、地元の高校生で混雑しました。定刻の8時05分に、阿波海南駅に到着。

阿波海南駅構内

JR牟岐線の線路が、この駅で途切れます。その先は、安佐海岸鉄道のDMVが走る線路です。

安佐海岸鉄道DMVに乗車~徳島県から高知県へ抜ける~

筆者は安佐海岸鉄道の全区間に乗車したいと思い、阿波海南文化村から道の駅宍喰温泉に向かいました。JR牟岐線のホームから、DMVが発車する停留所までは、目と鼻の先です。

安佐海岸鉄道阿波海南

停留所には、サーフボードのような標識が設置されています。

安佐海岸鉄道阿波海南

予約をしていない場合に並ぶ場所。フリーきっぷを利用している場合、ここで待つことになります。

安佐海岸鉄道阿波海南

DMVが入る前に、モードインターチェンジを撮影。線路と道路の境界線です。

安佐海岸鉄道阿波海南

そうこうしているうちに、DMVがやってきました。

DMVが走る姿を撮影するために、この便を見送りました。

安佐海岸鉄道DMV阿波海南駅にて

モードインターチェンジに乗ったDMV。これから鉄の車輪が出てきます。

1時間あまりこの停留所で過ごし、阿波海南駅に戻ってきたDMVに乗車。

安佐海岸鉄道阿波海南文化村

始発駅の阿波海南文化村に到着。ここで、DMVが折り返します。

◆ 安佐海岸鉄道 107便:
阿波海南文化村 9時30分発 → 道の駅宍喰温泉 10時04分着

安佐海岸鉄道DMV阿波海南文化村にて

道路を走る時には、ごく普通のマイクロバスです。

安佐海岸鉄道DMV車内

DMVの車内。最大21名乗れる車体ですが、見た目以上に車内は狭いです。

安佐海岸鉄道DMV車内

マイクロバスを改造しているため、ドアは左側のみです。

安佐海岸鉄道DMV阿波海南駅にて

DMVが出発してから阿波海南駅までは国道55号線を走り、それから線路へ。モードチェンジの際、車内には、阿波踊りのメロディーが響きました。

安佐海岸鉄道道の駅宍喰温泉

甲浦駅(高知県東洋町)で再びバスモードに戻り、終点の道の駅宍喰温泉(徳島県海陽町)へ。徳島県・高知県境を行ったり来たりしました。道の駅宍喰温泉には売店や休憩所がありますが、筆者はそのまま宍喰駅へ。

安佐海岸鉄道宍喰駅駅舎

道の駅から宍喰駅までは、徒歩で15分ほどです。高架下に駅舎があります。

安佐海岸鉄道宍喰駅駅舎

宍喰駅のきっぷうりば。きっぷうりばとはいえ、発売しているのは入場券と回数券、定期券のみです。

安佐海岸鉄道回数券と入場券

紙のきっぷが欲しかったので、入場券と回数券を購入。鉄カードをもらえました。

安佐海岸鉄道DMV宍喰駅にて

それから、2階にあるホームにエレベーターで上がり、先ほど乗車したDMVを出迎え。歩いたほうが早いのです。

◆ 安佐海岸鉄道 111便:
宍喰駅 11時11分発 → 海の駅東洋町 11時23分着

安佐海岸鉄道DMV宍喰駅にて

宍喰駅からDMVに再び乗車し、海の駅東洋町(高知県東洋町)まで向かいました。

安佐海岸鉄道甲浦駅

車内から見た甲浦駅のモードインターチェンジ。高架上にあるので、間近では見学できません。

道の駅東洋町

海の駅東洋町停留所に到着。施設の名称「道の駅東洋町」と停留所の名称「海の駅東洋町」が、微妙に異なります。ここで、高知県方面に向かう路線バスに乗り換えます。

停留所に掲示された時刻表を見ると、徳島バスが運行する牟岐駅ゆき路線バスが走っていることが分かりました。安佐海岸鉄道と徳島バスは並走していて、牟岐駅から高知駅まで路線バスだけで移動できる形です。安佐海岸鉄道のDMVは、交通手段というよりも、観光スポットとしての性格が強いです。

道の駅東洋町にていただいた刺身定食

道の駅東洋町にていただいたランチ。刺身定食1,000円のコスパが最高でした。

高知県に入ってから高知駅に至るまで

海の駅東洋町停留所

道の駅東洋町からは、路線バスの旅です。一路高知駅に向けて進みました。

◆ 高知東部交通 路線バス:
海の駅東洋町 12時20分発 → ジオパーク 13時04分着

高知東部交通路線バス海の駅東洋町にて

乗客が少ないからか、小型バスがやってきました。県境まで走る路線バスは、とても貴重です。室戸岬に向かう国道55号線は険しく、文字通り地の果てです。

◆ 高知東部交通 路線バス:
ジオパーク 13時25分発 → 奈半利駅 15時38分着(室戸岬で途中下車)

高知東部交通路線バスジオパークにて

ジオパークで別のバスに乗り換え、室戸岬で一度下車してから奈半利駅へ。

室戸岬

室戸岬には駐車場と遊歩道、観光協会の案内所以外には何もなく、携帯電話の電波さえ届かない秘境です。

室戸岬

観光案内所にある展望台から眺めた室戸岬。

後続のバスに乗車し、室戸市街を経由して、奈半利駅へ。

◆ 土佐くろしお鉄道 5815D:
奈半利駅 16時03分 → 高知駅 17時24分

奈半利駅駅舎

奈半利駅で、土佐くろしお鉄道の列車に乗り換え。3階にあるホームへは、階段の他にエレベーターを利用できます。

奈半利駅駅舎

無人駅になっていて、きっぷは券売機で購入します。

土佐くろしお鉄道普通列車奈半利駅にて

1両編成の列車が入線。クロスシートの乗り心地が良い車両です。ごめん・なはり線は海岸沿いを走るため、眺めの良い海寄りの座席を狙うべし。

高知駅駅名標

奈半利駅を発車して1時間20分ほどで、終点の高知駅に到着。徳島駅からの長かった旅も、ここでおしまいです。

まとめ

安佐海岸鉄道DMV道の駅宍喰温泉にて

徳島市と高知市を海沿いに結ぶ国道55号線は、人気のあるドライブルートです。しかし、クルマで走るだけではなく、公共交通機関を利用しても充実した旅を楽しめます。年中温暖な地域であるため、冬から春にかけて訪れるのもいいアイデアです。

ルート上にある安佐海岸鉄道には、DMVと呼ばれる鉄道・道路両用車が走っています交通手段というよりは、観光スポットの性格が強いです。大都市から遠く離れているものの、週末や繁忙期には、予約で満席となることがあります。

安佐海岸鉄道をはじめ、鉄道や路線バスに乗車する際に利用できるのが、3日間にわたり乗り放題の「四国みぎした55フリーきっぷ」です。全区間の運賃を現金で支払うよりも、このきっぷを使うほうが安いので、必ず買っておきたいです。

ただし、このフリーきっぷでは安佐海岸鉄道のDMVの乗車予約ができないため、余裕ある旅程を組みましょう。また、バリアフリー対策が不十分な点にも留意したいです。

徳島駅から高知駅までは、早朝に出発すれば1日で踏破可能です(高知駅から徳島駅方面も然り)。道の駅で食事を楽しみつつ、乗り鉄と路線バスの旅を満喫してはいかがでしょうか。

この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考資料

● 四国みぎした55フリーきっぷ 情報サイト(安佐海岸鉄道)2025.01閲覧

● 四国みぎした55フリーきっぷ 販売パンフレット(安佐海岸鉄道)2021.12

● DMV紹介パンフレット(安佐海岸鉄道)2021.12

当記事の改訂履歴

2025年01月30日:当サイト初稿

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