日本の隣国である台湾の鉄道網は充実していて、特急列車に乗車すれば快適な鉄道旅行を満喫できます。車窓から眺める風景は日本と似ているようで異なり、とても新鮮です。
台湾はかつて日本に統治されており、当時導入された鉄道の規格がそのまま引き継がれています。列車に乗車する前にきっぷを購入し、改札口を通るスタイルも、台湾と日本で共通しており、違和感がないでしょう。
しかし、運賃制度やきっぷの買い方については、日本とは大きく異なるのです。
筆者が訪台し、台湾における在来線、臺灣鐡路(台鐵)の特急列車「自強」号に乗車するためにきっぷを購入した際、渡されたのは乗車券のみでした。日本で特急列車に乗車する時には乗車券に加え、特急券が必要なのに、どうなっているのだろうと思いました。
台湾の鉄道きっぷは、区間車(普通列車)用の乗車券と自強号(在来線特急列車)用の乗車券に分かれています。一方、日本ではどの列車にも必要な乗車券に加え、特急列車への乗車に必要な特急券の2階建てです。
この記事では、台湾と日本における鉄道きっぷのしくみやルールを比較し、きっぷの買い方がどのように異なるのかを詳しくご説明します。両国で鉄道きっぷを購入する際、当記事がヒントになれば幸いです。
なお、高速鉄道(新幹線)の運賃体系はシンプルであるため、当記事では詳細な説明を割愛します。在来線の台鐵に焦点を当てることを、あらかじめご了承ください。
特急券が不要な台湾の「自強」号、特急券が必要な日本の列車
日本と同様、台湾には新幹線と在来線があり、日本製の車両が多く走っています。そのため、日本から台湾を訪れると、ここは日本の鉄道ではないかと錯覚します。
駅の中を見ても、出札窓口や自動券売機、自動改札があり、台湾と日本では違いがまったく見当たりません。
特急券が付いていないぞ~筆者のエピソード~
ところが、列車に乗車する際に購入するきっぷのしくみが、日本と台湾では大きく異なるのです。
台湾を訪れた際、台湾高速鐡道(台湾新幹線)の列車と臺灣鐵路(在来線)の特急列車「自強」号の両方に乗車しました。きっぷをそれぞれ購入しましたが、渡されたのが席番が記載された乗車券だけで、特急券が付いていなかったのです。
日本で新幹線や在来線特急列車に乗車する際には、乗車券に加えて特急券が必要です。この違いは、なぜでしょうか。
きっぷのしくみが異なることが原因
このような違いがあるのは、台湾と日本ではきっぷのしくみが全く異なるからです。
在来線を運行する台鐵には、列車の設備や停車駅によって以下の種別があり、運賃水準(賃率)がそれぞれ異なります。
- 区間車:普通列車
- 莒光号:急行列車
- 自強号:特急列車
優等列車の賃率を普通列車よりも高くすることで、特急料金相当を収受するしくみです。そのため、特急券そのものが存在しないわけです。
一方、日本の鉄道においては、どの列車にも必要な乗車券に加え、特急列車に乗車するには特急券やグリーン券も購入します。普通列車、在来線特急列車、新幹線によらず、ベースとなる運賃水準は共通しているものの、特急料金やグリーン料金で差を付けている形です。
このような料金設計の違いがあるため、台湾と日本におけるきっぷの買い方が全く異なります。台湾ではシンプルな一方、日本ではとても複雑です。
台湾の鉄道に関する情報は、現地在住者による発信が多いです。一方、鉄道きっぷ自体に焦点を当てた情報が見つからなかったため、専門的な見地で当記事を執筆しました!
台湾と日本における鉄道の基本
きっぷのしくみを理解するための前提知識として、台湾と日本における鉄道に関する基本事項を押さえます。
台湾と日本の鉄道網
最初に、台湾と日本における鉄道網の概要について、簡単に触れたいと思います。
台湾
台湾においては、在来線と新幹線が全土にわたって整備されています。
20世紀初頭から整備が続いてきた在来線(臺灣鐵路)は、国土を一周する幹線と、幹線から枝分かれする支線で構成されています。路線延長は、全線で1,000km弱です。
2007年に開業した新幹線(台湾高速鐡道)は、台北市に所在する南港駅と高雄市に所在する左營駅までの345kmです。
全土を結ぶこれらの鉄道網に加え、主要都市には都市内交通が整備されています。
日本
日本には、全国で20,000kmに及ぶ鉄道網が整備されています。後述するように、多くの鉄道会社によって運営されています。
在来線の多くはJRによって運営されていますが、「第三セクター」と呼ばれる半官半民の企業や民間企業による路線も多いです。
1964年に開業し、整備が進んだ新幹線は、全線がJRによって運営されています。北海道北斗市から東京を経由し、鹿児島県鹿児島市までを1日で移動可能です。
このように、国土の広さによって、台湾と日本の鉄道網は規模が全く異なります。この規模感の違いが、きっぷのしくみの差異につながる根本的な要因です。
鉄道の運営主体
台湾と日本における鉄道の運営主体には、次のような特徴があります。
台湾
都市内交通を除き、台湾における鉄道網の運営主体は、在来線と新幹線に分かれます。
台湾全土に網を張る在来線は、臺灣鐵路(台鐵)による運営です。台鐵は元々一行政機関で、交通部配下にある「臺灣鐵路管理局」でした。2024年1月に国有企業化され、「国営台湾鉄道株式会社(國營臺灣鐵路股份有限公司)」に組織が変わりました。
一方、台北市と高雄市を結ぶ新幹線は、民間の上場企業「台湾高速鉄道会社(台灣高速鐵路公司)」です。台湾政府(交通部)から認可を得て運営している形です。
台鐵は実質的に国営で、高鐵は完全に民営です。
日本
日本においては、新幹線、在来線とも「JR(旅客鉄道株式会社)」によって運営されています。JR以外にも、多くの民間鉄道会社があります。
かつての国有企業「日本国有鉄道(国鉄)」が1987年に株式会社化された際、地域別の6つの旅客会社と1つの貨物会社に分割されました。現在、本州3社と九州会社については、上場企業として完全に民営化されています。
都市内交通の一部が例外的に公営企業によって運営されていますが、基本的には民間企業が営利事業として鉄道網を運営しています。
列車の進行方向と列車番号
台湾の鉄道と日本の鉄道では、列車の進行方向に応じた列車番号の付け方にそれぞれ特徴があります。この法則を覚えておくと、きっぷを購入する際に役立ちます。
両国とも左側通行でキロポストがある
線路が複線で整備されている区間は、日本と同じく台湾でも左側通行です。そのため、列車の進行方向には違和感がありません。
また、各線区ごとにキロポストが設置されているのも、台湾と日本の共通点です。
台鐵縦貫線の起点は基隆市に所在する基隆駅で、0キロポストがあります。一方、日本では東京駅が各線区の起点となるため、東京駅に0キロポストがあります。
台湾、日本とも、営業キロを基にして運賃・料金を計算するため、覚えておきたいです。
台湾における列車番号
台湾の鉄道は、国土を一周する形で路線が構成されています。したがって、列車の進行方向に応じて、時計回りの経路と反時計回りの経路が存在します。それぞれの経路による列車番号は、下表の通りです。
経路 | 進行方向 | 列車番号 |
順行 | 時計回り | 偶数の列車番号 |
逆行 | 反時計回り | 奇数の列車番号 |
列車種別による列車番号に関しては、以下のような特徴があります。
定期列車の種別 | 列車番号 |
自強号・莒光号 | 3桁 |
区間車・区間快車 | 4桁 |
特殊な列車には1桁か2桁の列車番号が付けられますが、定期運行される列車については3桁か4桁と覚えておけばよいでしょう。
以下は、定期列車における列車番号の一例です。
128次:自強号
屏東駅 13時04分発 →(順行)→ 基隆駅 19時18分着
★ 時計回り(順行)に走る特急列車「自強」号の列車番号は、3桁の偶数
3167次:区間車
后里駅 7時27分発 →(逆行)→ 潮州駅 13時17分着
★ 反時計回り(逆行)に走る普通列車の列車番号は、4桁の奇数
きっぷを買う際に列車番号と乗車日、乗車区間を示せばとてもスムーズなので、この法則を押さえておきたいです。
日本における列車番号
日本における鉄道網の起点は、皇居の最寄り駅である東京駅です。皇居との位置関係で、列車の上り下りは、進行方向によって以下の通りに決まっています。
経路 | 進行方向 | 列車番号 |
下り | 東京駅を離れ地方に向かう | 奇数 |
上り | 地方から東京駅に向かう | 偶数 |
すべての列車が東京駅を発着しているわけではありませんが、東京駅に近い方から遠い方に向かう列車が下り列車と覚えておけばよいでしょう。列車の進行方向によって、列車番号が奇数と偶数に分かれます。
列車の種別と列車番号には、特に関連性はありません。ただし、優等列車であるほど、列車番号が小さい(桁数が少ない)傾向にあります。そもそも列車番号が案内されることは少なく、列車名で識別することが多いです。
日本できっぷを買うときには、列車番号ではなく、乗車日、乗車区間と経由路線、列車名を申し出る必要があります。
列車の種別と設備
台湾と日本のいずれにも、普通列車の他に優等列車があります。また、普通車の他に、グレードの高い設備があります。
列車の種別
列車の種別は以下の通りで、種別に応じて運賃・料金が異なります。
台湾
新幹線には速達タイプの列車と各駅停車タイプの列車がありますが、運賃には差がありません。指定席は「對號座」と呼ばれます。
前述した通り、在来線には以下の種別の列車が走っています。
台鐵の列車等級 | 日本で相当する種別 | 指定席があるかないか |
自強号 | 特急列車に相当 | 對號列車 |
莒光号 | 急行列車に相当 | 對號列車 |
区間快車 | 快速列車に相当 | 非對號列車 |
区間車 | 普通列車に相当 | 非對號列車 |
これらの種別の中では、自強号の停車駅が少ないです。特急列車には、使用車両によって「自強」号、「普悠瑪」号、「太魯閣」号があります。
● 自強号
プッシュプル型の自強号は、先頭部に連結された機関車が客車を牽引します。
普通車の車内。リクライニングシートです。
● 区間車
近郊型の電車です。
車内のシートレイアウトは、セミクロスシートです。
日本
新幹線には、速達タイプの列車と停車駅が多いタイプ、各駅停車タイプの列車があります。「のぞみ」号や「みずほ」号、「はやぶさ」号には料金の加算があります。
在来線における列車の種別は、特急列車と快速列車、普通列車です。臨時列車として、急行列車が運行されることがまれにあります。線区によって料金水準が異なります。
列車の設備
列車の設備には、普通車の他に特別車両があります。また、指定席と自由席の区分についても押さえたいです。
台湾
新幹線には、普通車の他に「商務車廂」という、日本のグリーン車と同等の設備があります。普通車には指定席(對號座)の他、自由席(自由座)もあります。
在来線列車については、基本的には普通車のみです。しかし、新型車両EMU3000型で運行される「新自強」号の6号車は「騰雲座艙」という上級クラスです。
台鐵においては、座席指定を行う列車(指定席車両がある列車)を「對號列車」、座席指定を行わない列車を「非對號列車」として扱います。この区分によってきっぷの発売方法が異なるため、押さえておきたいです。
日本
新幹線には普通車とグリーン車があります。東北・北海道新幹線を走るE5系および上越・北陸新幹線を走るE7系・W7系には、「グランクラス」というさらに上級クラスが設置されています。
在来線の一部特急列車および一部線区の普通列車にも、グリーン車があります。列車種別と設備の組み合わせによって、必要なきっぷが細かく決まっています。
列車の運行に関する基本を押さえたところで、きっぷのしくみの説明に入っていきます!
台湾と日本の営業制度を比較(紙のきっぷ)
ここまで見てきたように、台湾と日本における鉄道のしくみはよく似ています。しかし、運賃計算のしくみやきっぷの発売・効力に関しては両国で大きな違いが見られます。
列車の運賃・料金体系の比較
列車の種別や等級に応じた運賃・料金の算出過程に関する違いについては、前述した通りです。
台湾の在来線においては、列車種別ごとの賃率に基づいて運賃が算出されます。乗車券のみの1階建ての運賃設計で、至ってシンプルです。
一方、日本では、乗車する列車の種別にかかわらず、ベースとなる乗車券を購入します。それに加え、特急列車の普通車およびグリーン車に乗車する場合には特急券・グリーン券が必要です。乗車券と料金券という2階建ての運賃設計で、複雑です。
台湾の営業制度
台鐵において発売されている乗車券の種類は片道乗車券のみで、列車の種別に応じた乗車券が発売されています。
賃率・運賃計算方法
1kmあたりの賃率は以下の通りで、台湾全土で共通です。
列車等級 | 1km当たりの賃率 |
自強号 | 2.27元 |
莒光号 | 1.75元 |
区間快車・区間車 | 1.46元 |
初乗り運賃は片道10km分の運賃で、区間車用の乗車券で大人15元です。営業キロ11km以上の区間においては1km単位で運賃を計算しますが、支線については例外があります。
きっぷの有効期間は当日限りですが、制度上有人駅での途中下車が1回のみ可能です。ただし、「中途下車無効」と記載されている場合、途中下車できません。
對號列車と非對號列車
前述したように、台湾の列車には「對號列車」および「非對號列車」の区分がありますが、きっぷの発売方がそれぞれ異なります。
自強号や莒光号については原則的に座席指定を行い、對號列車用のきっぷを発売します(自由席が例外的に設定される場合があり、料金が割引されます)。このきっぷに関しては、列車に乗車する区間について1枚のきっぷを発売する形です。
したがって、区間車と自強号を乗り継ぐ場合には通しのきっぷではなく、乗車する列車ごとにきっぷを分割して購入します。例えば、台北駅から自強号に乗車して瑞芳駅に向かい、区間車に乗り換えて十分駅に向かう場合、それぞれの列車できっぷを分割購入する形です。
一方、区間車に乗車する際に購入するのは、非對號列車用の乗車券です。このきっぷについては乗車する列車ごとにきっぷを分割することなく、発駅から着駅まで通しの乗車券を購入できます。例えば、集集駅から集集線の区間車に乗車し、二水駅で縦貫線の区間車に乗り換えて彰化駅に向かう場合、集集駅から彰化駅ゆきの乗車券を購入することになります。
無座席券について
對號列車用のきっぷを購入する際、当該列車が満席の場合には、立席を承知できっぷ券面に「無座」と記載された無座席券を購入できます(日本における「立席特急券」に相当します)。
ただし、「普悠瑪」号および「太魯閣」号に関しては立席が許されておらず、無座席券が発売されません。立席乗車した場合、増運賃が課せられます。
日本の営業制度
乗車券については、列車を乗り換えるごとにきっぷを分割購入するのではなく、発駅から着駅まで通しで購入します。一方、特急券やグリーン券については、乗車する列車ごとに分割して購入します。
賃率・運賃計算方法
乗車する営業キロに対して運賃が課せられるのは台湾と同様ですが、鉄道会社や線区によって多くの賃率が設定されています。その賃率に関する情報に関しては当記事では書ききれないので、割愛します。
途中下車について
長距離を1日で旅行するのは厳しいため、乗車券については長期間にわたって使用することが想定されています。そのため、片道101km以上の乗車券では回数制限なく途中下車が可能です。
特急券やグリーン券については、途中下車の概念はありません。
立席特急券・座席未指定券について
台湾の無座席券に相当するきっぷが、「立席特急券」および「座席未指定券」です。
全車指定席の列車で満席の場合でも、立席を承知で特急券を購入できる場合があります。適用される特急料金によって、立席特急券の場合と座席未指定券の場合があります。
ICカードによる乗車制度を比較
台湾、日本の両国において、現在では交通系ICカードによる乗車が普及しています。ここでは、両国におけるIC乗車について、その概要を比較します。
台湾におけるIC乗車
台湾国内で流通している交通系ICカードには、以下の3種類があります。
- 悠遊卡(EasyCard)
- 一卡通(iPASS)
- 愛金卡(icash)
上記のいずれのカードでも、台鐵線内でIC乗車が可能です。都市内交通でも利用できるので、台湾を訪問する際にはこれらのカードを購入して、利用したいです。
乗車する距離によって、入場から出場までの時間が制限されています。所定の時間を超過すると、思わぬ高額運賃を徴収されるため、注意が必要です。
発駅から着駅までの乗車距離が通算70km以内であれば、自強号に無座席乗車が可能です(つまり、對號列車用きっぷの購入が不要)。無座席乗車できない「普悠瑪」号および「太魯閣」号については対象外で、乗車してしまうと罰金が課せられます。
日本におけるIC乗車
日本においては、交通系ICカードが全国で統一されておらず、多くの交通事業者から多くの種類の交通系ICカードが発行されています。全国で使用できる共通カードは、下図の銘柄に加えTOICAの10銘柄です。
いずれかの交通系ICカードを1枚持っていれば、全国の鉄道会社でIC乗車が可能です。
特急列車に交通系ICカードで乗車する場合、特急券を別に購入します。台湾のような無座席乗車のしくみは、日本にはありません。
台湾と日本の鉄道運賃水準を比較
鉄道運賃の水準を物価と比較すると、どれほどでしょうか。台湾と日本におけるきっぷの値段を、マクドナルドのビッグマックセットと比較し、物価に対する鉄道運賃の水準を確認します。
台湾
縦貫線の起点である基隆駅から、同線の終点である高雄駅までの営業キロは、ちょうど400kmです。この区間を移動した場合の運賃は、列車の種別により次の通りです。
列車種別 | 運賃 |
高鐵新幹線(對號座)※ | 1,530元 |
台鐵自強号(對號列車) | 908元 |
台鐵莒光号(對號列車) | 700元 |
台鐵区間車(非對號列車) | 584元 |
※ 高鐵は南港駅から左營駅までの運賃
一方、2024年12月現在の台湾におけるビッグマックセットの値段は、150元です。台鐵の区間車の運賃はおおよそ4食分、自強号ではおおよそ6食分です。新幹線では、おおよそ10食分です。
日本
東北本線(上野東京ライン)大宮駅から東京駅を経由し、東海道本線名古屋駅までの営業キロは、396.3kmです。全区間の運賃と、東海道新幹線東京駅から名古屋駅までの普通車指定席の料金は、次の通りです。
きっぷの種類 | 値段 |
普通乗車券 | 6,600円 |
新幹線特急券【通常期】 | 4,920円 |
合計 | 11,520円 |
普通列車だけで移動すると片道6,600円、新幹線を利用すると片道11,520円です。2025年1月現在の日本におけるビッグマックセットの値段は、750円です。普通乗車券の値段はおおよそ9食分、新幹線ではおおよそ15食分です。
台湾と日本の比較
台湾元と日本円の為替レートは、当記事執筆時点で5日本円/台湾元です。このレートでは、ビッグマックセットの価格は日本と台湾でほぼ同水準です。
台湾新幹線の運賃は高額であるものの、日本の新幹線の運賃水準に比べれば相当低廉なことが分かります。
一方、在来線の運賃水準が著しく低く抑えられていることも分かります。所要時間がかかるものの、自強号で移動すれば大変リーズナブルです。
最後に、台鐵で購入した乗車券をご紹介します!
台湾でのきっぷ購入体験
2024年12月に訪台した際に購入した、台湾新幹線および台鐵在来線の乗車券をご紹介します。
高鐵新幹線(對號座)
ネット限定で発売されていたプロモーション料金が適用されたきっぷです。1人分の運賃を支払えばもう1人分が無料、というキャンペーンでした。
台鐵自強号(對號列車)
プッシュプル型自強号の指定券です。自強号用の賃率で計算された台北駅・瑞芳駅間の運賃は、76元でした。
きっぷにはQRコードが印字されていて、きっぷをかざして自動改札を通れます。
台鐵区間車(非對號列車)
区間車用の乗車券を、多機能自動券売機で購入しました。
日本語での操作が可能です。
座席指定のない区間車用の乗車券です。きっぷの上方には太い横線が引かれていて、区間車用のきっぷであることが分かります。順行・逆行の別も記載されています。
運賃の精算(補票:車内補充券)
集集線の代行バスの中で、車掌から購入したきっぷです。日本でいうところの車内補充券ですが、携帯プリンタから出力されています。補票にも、QRコードが印字されています。
まとめ
台湾の鉄道きっぷには特急券やグリーン券といった料金券がなく、片道乗車券のみが発売されています。自強号などの優等列車に乗車する場合の賃率(運賃水準)と、普通列車に乗車する場合の賃率が異なることで、乗車する列車種別によって値段に差がつくしくみです。
また、座席指定を行うか否かで、對號列車と非對號列車の区分があります。優等列車に関しては原則的に全車指定席で、對號列車用のきっぷが発売されます。一方、普通列車などの座席指定のない列車では、非對號列車用の乗車券が発売されます。對號列車と非對號列車を乗り継ぐ場合では運賃の通算ができず、きっぷを別々に購入することになります。
台鐵における運賃水準は低めに抑えられていて、リーズナブルに移動できます。時間がかかるものの、自強号を利用すると旅費を節約できるでしょう。
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考資料
● 国営台湾鉄道株式会社 旅客運送契約 2025.01閲覧
AIを利用し、全文を日本語訳しました。ご自由に活用ください。
当記事の改訂履歴
2025年01月14日:当サイト初稿
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